| 食品に関する調査事例(ドレッシング類) |
| 大山 央 |
| Email:danner@iris.dti.ne.jp |
| キーワード:LCA、LCI、加工食品、リサイクル、容器包装 |
最初に
この原稿は、筆者が第7回日本包装学会年次大会(1998年)において共同発表した文章を元に、筆者の責任において加筆、修正を加えたものであり、文責は筆者にあります。発表時点より数年が経過しており、最新の知見、データなどについての不備があるかと思われます。お問合せ、ご意見などございましたら上記メールアドレスまでご連絡いただければ幸いです。
また、LCA調査の結果というものは、計算や根拠となる数値、係数、パラメータなどに、仮定されたものや充分吟味されていないデータが多いのが現状であり、非常にデリケートなものです。それゆえ、充分な説明なしに結果のみが一人歩きすることは避けるべきです。結果や内容の引用、転載につきましては筆者までご一報ください。
1.調査の背景と目的
LCA(Life Cycle Assessment:ライフサイクルアセスメントは、製品の原料生産からリサイクル、あるいは廃棄物として処理するまでの全工程を通じての環境に対する負荷量を積算することによって、製品の環境影響を把握・評価するための手法である。本研究では加工食品を対象とし、LCA手法を適用してライフサイクルでの環境負荷を段階別に明らかにすることともに、容器のリサイクルを行うことによる効果について定量的に評価することを目的とした。本研究はLCAの構成段階ではインベントリ分析にとどまっており、ライフサイクル影響評価まではいたっていないため、LCIスタディと位置づけた。
2.調査の対象・前提
対象とする加工食品をドレッシング類とし、容器種類は「製品500g用ポリ容器」とした。LCAに関する基礎的数値データを収集するために、製造業者により構成される業界団体に対するヒアリング調査を実施した。ヒアリング結果については、調査対象企業の平均値を採用し、代表値とした。
本研究において設定した製品のライフサイクル境界は図1の通りである。調査・算定の単位(機能ユニット)は「製品中味重量1000kgの生産」とした。

製品の生産においては、それ自体が製品でもあり、かつ製品の原料でもあるような半製品ともいうべきものが存在するが、本研究ではそれらを全て原料採取段階として取り扱い、それぞれの半製品の原料採取にまでさかのぼっての計算を行った。サーマルリサイクルについては発電効率20%(発電効率=回収電力量(kcal)÷容器発熱量(kcal))と仮定した。
また、リサイクルによる評価を正しく行うために、リサイクルを行わないケースについては、バージン原料から同じ量の再資源化物(サーマルリサイクルでは電力、ケミカルリサ イクルでは燃料油)を生産するための環境負荷を加算して評価を行った。
3.結果と考察
図2に、本研究において算出された原料採取から家庭に輸送されるまでの段階別環境負荷量を示す。図2によると原料採取段階、製品製造段階、容器製造段階、輸送段階のそれぞれにおいてエネルギーの使用量とCO2の排出量はそれ程大きな差はない(おおむね2倍以内)が、NOxおよびSOxの排出量については輸送段階が大勢を占める結果となっている。

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図3に、リサイクルの有無によるライフサイクル境界全体のエネルギー使用量および二酸化炭素排出量の比較を示す。リサイクルによる効果は、サーマルリサイクル、ケミカルリサイクルのいずれの場合にもライフサイクル全体で見てもある程度の効果があるものと解釈することが出来る。
また、参考として、容器がガラスびんの場合の原料採取から家庭までの段階別環境負荷量を図4に示す。「平成8年度食品環境負荷評価システム構築事業調査報告書」社団法人食品需給研究センター